犬の肥満の原因とは?すぐにわかる『BCS』で適正体重を確認しよう!
肥満は体脂肪が必要以上に蓄積した状態です。人間も肥満になると身体に不調が現れたり、思わぬ病にかかってしまいます。健康を維持したいのであれば、体重や体脂肪を適切な数値にしておく必要があるでしょう。
飼い犬の場合、実に半数以上が肥満体型と言われています。これには普段の食事量やおやつの与えすぎなどが関係しているようです。また何らかの原因で運動量が激減したなども原因になります。
肥満状態は人間と同じように万病のもとです。愛犬がいつまでも健康でいられるよう、肥満の基準や原因について学んでおきましょう。
どこから肥満になる?
フレンチブルドッグはその容姿から、太っているように見られがちです。しかし彼らは筋肉量が多いため、実際には肥満という訳ではありません。またイタリアングレーハウンドは一見痩せすぎのように見えますが、元々スマートな体型をしています。
人間も犬も同じように、見た目や体重で肥満がどうかを決めることは難しいです。ただ犬種による特徴を知ったうえで、見た目や触った感じから肥満気味かどうかを判断できます。その方法は以下の通りです。
- 四つん這いに立たせて真上から見る
- 肋骨を触る
通常健康的な体型であれば、愛犬を真上から見た時にくびれの位置がはっきり分かります。痩せすぎている場合は極端にくびれや筋肉が目立ち、肥満の場合はくびれが目視できず樽のような体型に見えるでしょう。
さらに肋骨は触れると分かるくらいがちょうどいいです。触れなくても肋骨が見える状態や、触れても肋骨の位置が分からないような体型は改善しなければなりません。
BCSで肥満度をチェック
人間は、身長や体重からBMIを算出して肥満体型なのかそうではないかを判断します。犬の場合も肥満か否かを見分けるためのBCSというものがあるのです。
これは見た目と触った感じから、犬の体型を5段階に分類したものになります。
BCS1
BCS1の犬は一般的に痩せ型と言われています。体脂肪は5%未満で、筋肉量が明らかに足りない状態です。肥満体型同様あらゆる病にかかりやすいため、健康的とは言いにくいでしょう。
痩せすぎの犬の肋骨は全く脂肪に覆われておらず、容易に触れます。見た目からも肋骨が浮き出ているのが分かるでしょう。
横から見た場合、腹部にたるみはなく骨格が浮き出ています。全体的な体型としては、腹部のへこみが目立ち上から見た際に極端な砂時計型をしているのが特徴です。
BCS2
BCS2はやや痩せ気味に属する体型になります。体脂肪は6~14%で、健康的な犬よりも一回り小さく見えるのが特徴です。寒さに弱く、冬場に風邪を引きやすい傾向にあります。少しの努力で標準体型にできるため、食事や運動を工夫してみましょう。
BCS1の犬と比べて肋骨には薄っすらと脂肪が付いていますが、容易にその位置を目視可能です。腹部の脂肪もわずかなもので、骨格が浮き出ているのが分かるでしょう。横から見た時にお腹にはへこみがあり、上から見ると滑らかな砂時計型になっています。
BCS3
犬の理想体重と呼ばれるのが、BCS3の体型です。体脂肪は15~24%で、この範囲内であれば良いためそう難しいことではありません。他の体型よりも免疫力が高く、心身共にとてもバランスが良い状態です。
肋骨は薄い脂肪に覆われており、見た目では分かりにくいですが触れることで確認できます。腹部の骨格も薄い脂肪に覆われているため目視はできませんが、触ることで位置が分かりちょうど良く引き締まっている状態です。
たるみはなくなだらかな輪郭をしており、腰には適度なくびれがあるのが理想となります。
BCS4
理想体型から太り気味になるのがBCS4の犬です。体脂肪は25~34%で、全体的に丸みを帯びてくるようになります。一般的にこのタイプの犬が多く、食事の与えすぎや運動不足が原因です。
厚い皮下脂肪に覆われているので肋骨は目視できず、触っても骨の感触がないことが多いでしょう。少し力を入れて押してみるとわずかに骨の感触がある程度です。
腹部のへこみやくびれはほとんど無く、ずん胴体型をしています。ウエストに締まりもないので、かなり緩やかなボディラインです。
BCS5
BCS5の状態を肥満体型と言います。体脂肪は35%以上で、明らかな食事の与えすぎや運動不足が原因です。
糖尿病や関節の病気にかかりやすくなり、治療にも時間がかかるのが特徴になります。理想体型に戻すためにはかなりの時間を必要とするので、肥満になる前に対処しましょう。
体中の骨は分厚い皮下脂肪の下に隠れてしまい、目視はもちろん触っても感触はありません。くびれも全くなく、逆に外側へ膨れているように見えます。
横から見た時、通常よりも足が短く腹部が床に付いてしまうかのように突出しているでしょう。
肥満の原因とは?
肥満の原因は、日常生活におけるものと病気が起因したものに分けられます。日常生活が要因のものは回避することができるため、比較的簡単に実践できるでしょう。
最近は高栄養のドッグフードも多くあり、それに伴い肥満となる犬も急増しています。愛犬にはなるべく長生きしてもらいたいと思うのが飼い主の本望です。
また病気にかかることで愛犬自身も辛いでしょうし、治療費もかかります。心身共に健康な状態で一緒に暮らせるよう、ここで肥満の原因を知っておいて損はありません。
運動不足
毎日の運動は、肥満を予防するために最適な方法です。逆に運動を怠ってしまうことで、どんどん肥満に近付いていってしまいます。運動量の不足は基礎代謝や免疫力を低下させてしまうので、あらゆる病にかかりやすくなり良いことがありません。
例え摂取カロリーをオーバーしてしまっても、その分多く運動をすれば肥満になることはないでしょう。しかし運動不足が慢性化すると、消費しきれないエネルギーが脂肪となって身体に蓄積されます。
食事
たくさん食べている姿が可愛いが故に、必要以上に食事やおやつを与えてしまう飼い主は少なくありません。きちんとフードの量を計測せずに与えることも、摂取量を増やしてしまう原因になります。
ごはんの与えすぎは、エネルギーを過剰に摂取することに繋がり肥満を引き起こすのです。さらに早食いやドカ食いのクセがある場合も、肥満の原因になります。
特におやつを与える際には食事の量を減らして、トータルの摂取カロリーをきちんと計算してください。
年齢
シニア犬に若い頃と同じフードを同じだけ与えていると、必ずと言っていいほど肥満になります。それは老化と共に基礎代謝が低下しているからです。
そのうえ若い頃よりも運動量が減るので、食事によってカロリーをコントロールしてあげる必要があるでしょう。肥満は内臓の病気のみならず、関節にも負担を与える危険性があります。
関節の病を発症するとどんどん運動をしなくなるので、なかなか肥満を改善できません。最近ではシニア犬用のローカロリーフードも展開されているので、切り替えてみることも検討しましょう。
犬種(遺伝)
犬種によっては、遺伝的に肥満になりやすいことがあります。
- ラブラドルレトリバー
- ミニチュアダックスフント
- コッカースパニエル
- シェットランドシープドッグ
- キャバリアキングチャールズスパニエル
- 柴犬
これらの犬種は太りやすいと言われているので、特に毎日の食事や運動を意識しなければなりません。
不妊手術
卵子や精巣を取り除く不妊手術を行った犬は、体内のホルモンバランスが変化することにより太りやすくなります。手術によって基礎代謝が低下したり、食欲が増進することが原因です。
また生殖機能を維持するためのエネルギーを必要としなくなるため、今まで通りの食事量だとカロリーをオーバーする可能性があります。
ただかならずしも肥満になるという訳ではありません。日々の生活の仕方で肥満は回避できますので、不妊手術の後は食事量を改善してみてください。
病気
肥満の原因として、病気やケガが関係している場合もあります。
- 甲状腺機能低下症
- 副腎皮質機能亢進症
- クッション症候群
- インスリノーマ
- 関節炎
肥満になりやすい病気には、内分泌系の障害をもたらすものが多いです。基礎代謝が低下し、通常のフード量ではカロリーをオーバーしてしまいます。
もしも愛犬に以下のような症状が発生した場合、速やかに医療機関へ足を運びましょう。
- なんとなく元気がない
- 顔に覇気がない
- 水を飲む回数が増えた
- おしっこの回数が増えた
- 腹部の筋肉が落ちてお腹がぽっこりしてきた
日常生活に問題がないのに愛犬が太ってきたと感じたら、病気による肥満の可能性があります。ちょっとしたサインも見逃さないようにしましょう。
肥満によるリスク
肥満は病気やケガを招きます。人間よりも肥満によるリスクは高く、体重増加による弊害は数え切れません。
- 関節への影響
- 靭帯への影響
- 脊椎版への影響
- 心肺機能や呼吸器への負担
- 手術時の麻酔への影響
体重の増加は、4足歩行の犬にとっては大きな問題です。特に足腰への負担は大きく、関節炎や椎間板ヘルニアを引き起こす可能性があります。ダックスフントなど胴長の犬種はその影響を受けやすいので、細心の注意を払いましょう。
人間と同じように、太り過ぎは心臓にも負担をかけます。また首回りに付いた脂肪が気道を狭め、呼吸のリズムが不規則になることもあるのです。
呼吸に障害が発生すると体温調節にも影響が出るため、熱中症にもかかりやすくなります。
万が一愛犬が大病にかかった際1番恐ろしいのが、手術時に麻酔の効果が減少してしまうことです。
肥満状態を放置しておくことで発生する病気は、治りにくく手術を施さなければならないことが多いでしょう。
麻酔がうまく効かないと、愛犬に多大な負担をかけることになります。また病気やケガが原因となり、老化が進んでしまうというケースも大いに考えられるのです。愛犬にいつまでも元気でいてもらえるよう、飼い主が責任を持って健康管理していく必要があります。
肥満の対策方法
犬の肥満対策方法は、基本的に人間と同じです。
- おやつをやめる
- おやつを与える時は食事量を調節する
- ローカロリーフードを与える
- 積極的に運動をさせる
愛犬が肥満気味だと感じたり、獣医師からダイエットが必要だと言われた時には、まず食べ物の見直しをしましょう。肥満の原因は、人間と同じで摂取カロリーが消費カロリーを上回るためです。
そんなに食べさせていないという場合でも、きちんと量を測らずに与えていると必要以上にフードを与えていることがあります。1日のごはんやおやつを書きだしたうえで見直すのがおすすめです。
またご褒美として与えるおやつにも注意しましょう。可愛さ故についついおやつの量が増えてしまうこともありますが、グッと堪えることも大切です。しつけのためにもおやつは時々与える程度にしてください。
最近では肥満対策用のフードもたくさん展開されています。一般的なフードに使われる主原料はチキンが多いですが、肥満対策用のフードにはローカロリーなターキーや魚類が使われています。
もちろん運動も欠かせません。散歩は毎日継続することが最も大切です。ストレスの軽減にも繋がるので、心身共に健康な状態を維持できます。
まとめ
肥満体型は決して病気ではありませんが、あらゆる体調不良を誘発してしまいます。
- 関節の不調
- 呼吸器の不調
- 心臓への負担
- 麻酔の効果半減
肥満が原因となる病気は、治療の際に食事や運動を心掛けることが大切です。しかし身体に不調を感じている時は、運動に消極的になってしまいがちになります。
そのままの状態でいると症状は悪化する一方なので、病気になる前に対策をしましょう。肥満を予防する方法は、日常生活の見直しが第一です。
- 食事の量を見直す
- おやつを与える時はごはんを少なめにする
- 早食いやドカ食いの防止
- 毎日運動させる
- ストレスを軽減させる
これらの予防方法には特別な治療や投薬が一切必要ないので、今すぐにでも実践できるものばかりです。飼い主の努力次第で愛犬の体型はコントロールできるでしょう。
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