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犬の病気・症状

犬の肥満は食事と運動で決まる!太らないための対策方法を徹底解説!

3匹並んだ犬

飼い犬の実に60%以上が肥満傾向にあります。たしかにゆとりのあるお腹周りや柔らかそうな容姿は、飼い主にとっても可愛らしく映るものです。しかし肥満は様々な病気を引き起こす可能性があります。

肥満と原因はいくつかありますが、大半が食生活や運動不足が起因しているでしょう。そのため予防方法も日常生活の中にあるのです。太り過ぎの予防や改善のために、飼い主として尽力するのも生き物を飼う人の責任となります。

愛犬が常に活き活きと生活できるよう、今一度健康管理について知識を身に着けておきましょう。

犬はどこから肥満になる?

犬にとっての肥満のボーダーラインは、体長を基準に何キロまでという決まりがありません。なぜなら犬の場合、犬種によって体つきも違いますし、肉の付き方も変わるからです。そのため人間のように、体長と体重からBMIを算出する方法は適切ではありません。

ではどのように肥満体型か否かを判断するのでしょうか。その方法は単純で、目視と触った感じで確認します。限られた人にしかできない専門的な技術は必要なく、素人でも簡単に実践できるため、日常的に取り入れられるでしょう。

実際にどこからが肥満なのかというと、犬を上から見た時にくびれが見当たらず、腹部が外側に張り出している状態になります。さらに横から見た時には、お腹が床にくっついてしまうのではないかというくらいたるんでいる状態です。

肥満体型は、犬の身体に触れずとも見た目だけで判断できることがほとんどでしょう。愛犬にこのような傾向がある場合、病気やケガを引き起こす前に対処する必要があります。

どこからが肥満と判断するの?
上から見たときにくびれがみあたらず、腹部が外側に張り出している状態が肥満です。

BCSでチェック

マッサージをする犬

BCSとは、人間でいうところのBMIのようなもので、愛犬が今どのような体型であるかを判断するための基準となります。BCSは1~5段階に分類されており、理想の体形はBCS3の状態です。

数字が増えるほど肥満体型に近付くため、BCS5が最も太っていることになるでしょう。その特徴は以下の通りです。

  • 身体全体に大量の脂肪沈着が見られる
  • 腰のくびれがなく寸胴に見える
  • 腹部のひだは目視できず肉が垂れ下がっている
  • 肋骨や骨格に触ることは非常に難しい
  • 通常より短足に見える
  • 首にはマフラーが巻いてあるように脂肪が付いている

肥満体型は目で見て明らかに分かります。肥満は万病のもとで、年齢を重ねる毎にそのリスクは上昇します。

万が一愛犬が上記のような容姿をしていたら、なるべく早く対策に向けての行動をする必要があるでしょう。また肥満気味の犬も注意が必要です。

  • 全身にやや厚い脂肪が付いている
  • くびれはなく電柱のような体型
  • 肋骨や骨格はかろうじて触れられる
  • 腰回りや尻尾の付け根の脂肪が目立つ

肥満状態よりも症状は軽いですが、理想体型でない以上身体に影響を及ぼすことは間違いありません。特に関節や呼吸器に負担をかけることが予測されるため、ダイエットが必要になります。

では理想体型となるBCS3にはどのような特徴があるのでしょうか。

  • 薄い脂肪に覆われている
  • 肋骨や骨格は容易に触ることが可能
  • 全体的になだらかな輪郭をしている
  • 腹部にへこみがある
  • 適度なくびれが確認できる

理想的な体型は肋骨や骨格が浮き出ていないものの、触れればその位置がはっきりと確認できる状態を言います。筋肉の存在も確認できるので、全体的に引き締まった見た目をしているでしょう。

肥満体型は身体に良くないといいますが、もちろん痩せすぎも良くありません。以下はBCS1~2にあたる犬の特徴になります。

  • 肋骨や骨格が浮き出ている
  • 非常に薄い脂肪に覆われている
  • 全体的に骨ばって見える
  • 腹部は顕著にへこんでおりたるみは無い
注意点

痩せすぎは脂肪による身体への負担はありませんが、免疫力や体力の低下が危ぶまれます。こちらも肥満体型同様、食事や運動を工夫しなければなりません。

犬の肥満の原因

カルテを持つ医者

肥満になる原因は実に様々ですが、その多くは日常生活が深く関わっています。そのため根本的な原因は飼い主の管理不足にあるでしょう。

  • 食事の与えすぎによるカロリーオーバー
  • 頻繁におやつを与えてしまう
  • 満腹に見えずつい食事を追加してしまう
  • 人の食べ物をあげてしまう
  • 適切な運動をさせていない

このような生活は、飼い主による甘やかしが原因となります。特に犬は自ら食事の量をコントロールできませんので、与える側がきちんと適量を計測しなければなりません。食事の必要量は、犬の年齢や体質によって異なります。

基本的にはフードに適量が掲載されていますが、それはあくまでも全犬種の平均量です。小型犬に大型犬と同じだけの食事をさせてしまえば、当たり前のように太ってしまうでしょう。

自身で適切な供給量が判断できない場合は、獣医師に相談してみてください。またおやつを与えることは、十中八九カロリーオーバーを招きます。

しつけなどでおやつを与えたいのであれば、フードの量を調節して1日に必要なカロリー内に収めるよう心掛けましょう。

ちょっとだけカロリーがオーバーしたらどうしたらいい?
ちょっとくらい摂取カロリーが多くなっても、消費カロリーが上回れば問題ありません。そのため毎日の運動も忘れず行いましょう。

以上が日常生活による肥満の原因です。その他にも病気やケガなどが関わる肥満というものがあります。

  • 不妊手術
  • 遺伝
  • ケガによる運動不足
  • 内分泌系の病気

以上のような原因はあくまでも肥満になりやすい状態です。必ずしも肥満になる訳ではないため、こちらも日常生活にちょっとした工夫を凝らせば肥満を回避できます。

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肥満が悪化するとどうなる?

見上げる茶色の犬

太り過ぎは身体のあらゆる部分に影響を及ぼします。そのうちの1つに、体重増加による整形外科的負担が挙げられるでしょう。

  • 関節炎
  • 靭帯断裂
  • 股関節の脱臼
  • 椎間板ヘルニア

4足歩行の生活は、私たちの想像している以上に体重による負担がかかります。上記のようなケガはどれも痛みを伴い、犬にとってはかなりの苦痛となるでしょう。

歩くことすらも苦痛になり運動が嫌いになってしまうと、肥満を解消するのが非常に困難になります。

肥満は整形外科的負担のみならず、内科部分にも負担をかけます。これには主に体脂肪が関係しているようです。

  • 心臓肥大
  • 僧帽弁閉鎖不全
  • 脂肪肝
  • 肝硬変
  • 不規則な呼吸
  • 皮膚炎
  • 糖尿病

人間と同じく、脂肪が増えすぎると臓器に大きな負担を与えてしまいます。特に厄介なのが、心臓に付いた脂肪です。

脂肪が血の巡りを悪くするため、心臓は血流を良くしようとして肥大化したり、弁が不具合を起こすことも珍しくありません。犬には体中に汗腺があるわけではないため、呼吸を通して体温を調節しています。

首回りに付いた脂肪が気道を圧迫すると、体温調節がうまくできずに熱中症にかかることもあるので、注意が必要です。最悪の場合、呼吸困難を招くことも予測されます。

糖分が多く含まれたものを摂ってしまうとどうなるの?
糖分が多く含まれたフードを摂取し続けることで、高血糖の状態が慢性化することもあるでしょう。この状態が続くと糖尿病を発症し、進行すると合併症を引き起こすこともあります。

犬の肥満の対策方法を紹介

指をさす医師

人間と同じように、犬もまた太ることは容易ですがダイエットには努力が必要です。また病気やケガを招いてから、肥満を改善しようと思っても簡単にはいきません。大事に至る前に予防策を講じることが大切です。

犬の肥満対策は基本的に人間と同じなので、実践自体はそう難しいものではないでしょう。ただ食事の工夫や運動は毎日続けなければならないため、油断は禁物です。

もちろん飼い主も健康でいなければ愛犬と一緒に遊べないので、1人1匹で健康を促進していく心持ちでいるとモチベーションも上がります。

定期的に体重を量る

並んでいる白黒の犬と茶色の犬

体重の変動を把握するためにも、定期的に体重を測りましょう。見た目に変化はなくとも、体重は増減しているかもしれません。犬は元々毛に覆われているので、ちょっとした体型の変化には気付きにくいものです。

体重測定と一緒に、BCS評価方法も試してみましょう。見た目と同時に身体に触れて体型を判断できるので、とても効果的です。犬は飼い主に触れられることで、ストレスを解消できます。心身の健康を維持するためにも、実践して損はありません。

また1か月に1回は、医療機関にて正確な体型評価をしてもらいましょう。定期的な検診は、病気やケガの早期発見にも繋がります。素人目ではどうしても、犬のちょっとした不調に気付けないものです。

食事量の調節

ご飯を食べる犬

肥満対策に1番効果的なのが、食事量の調節です。これは飼い主にしかできないことなので、責任を持って行いましょう。具体的には以下を参照ください。

  • 決まった器にどのくらいというアバウトな測定はしない
  • きちんとはかりを使って計測する
  • フードの袋に表記されている目安を参考にする
  • おやつを与える場合はその分のカロリーを考慮する

1日に摂取しなければならないカロリー量は、犬種や体質によって異なります。そのためフードの袋に書かれている量はあくまでも目安として利用してください。持病がある犬の場合は特に食事に気を使う必要がありますので、獣医師とよく相談しましょう。

近年では犬種や年齢、ダイエットなど目的別のフードもたくさん販売されています。フレーバーも様々なため、愛犬にピッタリのものを見つけてみてください。

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運動量を増やす

ボールで遊ぶブルドッグ

食べた分だけ運動しなければ、徐々に肥満へ近づいていってしまいます。消費カロリーが摂取カロリーを上回るよう心掛けて運動をさせましょう。大切なのは毎日継続して行うことです。

犬の運動は散歩だけでなく、ドッグランやプールなど様々です。散歩をあまり好まない犬であっても、泳ぐのが好きな場合があります。愛犬に最も適した運動方法を見つけてあげることが、健康維持の近道です。

既に太り気味の犬の場合は、急に運動量を増やすと関節や心臓に負担をかけてしまうことがあります。ケガや病気を患うと今以上に運動が困難になりますので、愛犬の様子を見ながら徐々に運動量を増やすようにしましょう。

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ここがポイント悪天候の際は、どうしても外で運動ができません。そのため屋内でも運動できるように、十分なスペースを確保しておくことも検討しましょう。

食事内容を変えてみる

ご飯を食べる犬

一般的なドッグフードには、糖分の多い穀物がたくさんふくまれています。穀物は本来肉食である犬には、特別必要としない栄養素です。ではなぜフードに含有されているのでしょうか?それはかさ増しのためです。

糖質は過剰に摂取すると、血糖値を上昇させます。高血糖の状態が慢性化すると、肥満だけではなく糖尿病などの大病を発症する可能性もあるのです。

これを懸念して、最近ではあらゆるメーカーが糖質の多い穀物を使わない、グレインフリーのフードを展開しています。さらにフードに主原料としてよく使用されるチキンは、たしかに高たんぱくではありますがカロリーは高めです。

ダイエットをしている犬にはあまり向かないかもしれません。そんな時は、高たんぱくでありながらもヘルシーなターキーを主原料としたフードを選ぶと良いでしょう。

おやつを与えているなら減らす

飼い主の手を嗅ぐ犬

おやつを与えると、高確率で1日の必要カロリーを上回ります。例えばジャーキーなどの乾燥したおやつは、それ自体に重さがほとんど無いため太りにくいと思われがちです。しかし乾燥おやつは、思った以上に高カロリーとなります。

またおやつを与えるのが習慣化するとしつけも上手くいきませんし、ごはんを食べてくれなくなることもあるのです。そのため基本的におやつはあげない、必要な時にだけあげることを意識して生活しましょう。

どうしてもおやつをあげたいという時は、必要カロリーをオーバーしないように主食の量を減らすなどして、カロリーをコントロールします。

どういうおやつだったら食べてもいいかな?
おやつ自体も低カロリーなものを選んで、トータルの摂取カロリーはそのままに愛犬が満足してくれるよう努めるのも良いでしょう。

対策には飼い主の心構えも大切

OKをする女性

ここまで肥満の原因や対策方法をお伝えしてきましたが、共通していえるのは毎日の生活習慣を健康的なものにしなければならないのが分かったでしょう。「ちょっとくらい太っていても、愛嬌があるからこのままでいい」という考えは、大変危険です。

犬の健康管理は、飼い主にとって1番大切な役割になります。太り過ぎや痩せすぎ、運動嫌いなどは飼い主の監督能力の不足と言っても過言ではありません。なぜなら犬は、自分自身で食事や運動の管理ができないからです。

また犬は体長不良を飼い主にアピールする術を持ちません。些細な行動の変化にこちらから気付いてあげない限り、自分で病院に行くこともできないのです。

そのため日頃から愛犬の様子を注意深く見て、お互いに健康でいられるよう暮らしていくように心掛けてみてください。

まとめ

3匹並んだ犬

丸みを帯びたボディラインの愛犬が、コロコロと動き回っている姿が可愛らしく感じる飼い主も多いかもしれません。しかし肥満には様々なリスクが付いて回ります。

  • 関節炎
  • 心臓への負担
  • 呼吸器への負担
  • 糖尿病

大切な愛犬がいつまでも元気に過ごせるよう、健康管理をするのも飼い主の勤めです。そのためには日常生活を今一度見直してみる必要があるでしょう。

  • 食事量を計測する
  • おやつは控える
  • 毎日運動させる
  • 定期的に体重を測る
  • 体型評価をする

これらは全て飼い主が意識して行わなければならない事柄です。犬は自身で体調管理が出来ないので、体調の変化には敏感になってあげるようにしましょう。

もちろん飼い主自身も健康でいなければ、愛犬に対して十分な世話ができません。愛犬と共に健康を意識するよう、毎日を過ごしてみてください。

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