これだけは避けたい!犬のパルボウィルス感染症の原因と対策方法も!
犬同士で感染する犬のパルボウィルスは、感染力が非常に強く、発症すると数日で命を落としてしまう怖い病気です。タイプによっては突然死する場合もあります。原因はイヌパルボウィルスによる感染です。
発症したら致死率は高いですが、早期発見できれば命を取り留めることができる場合もあります。またしっかりと予防すれば感染せずに済むこともあります。
飼い主としてはまずイヌパルボウィルスについて、原因や予防法を知っておきましょう。
犬のパルボウィルス感染症とは?
犬を飼っている方なら犬のパルボウィルス感染症という名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。犬のパルボウィルス感染症はイヌパルボウィルスによって引き起こされる感染症で致死率が非常に高い病気です。
2日から12日間の潜伏期間を経て発症し、症状によって腸炎型と心筋炎型に分けられます。いずれにしても発症して1日から2日でなくなるケースが多く、心筋炎型だと心不全を起こして突然死する怖い病気です。
一度発症すると、治療に有効な薬剤はありません。体力や免疫力が強い犬なら対症療法で回復することもありますが、それでも発見が遅れると手遅れになってしまうでしょう。
飼い主はイヌパルボウィルスについてよく知り、早期発見・早期治療できるようにしましょう。
パルボウィルスとは?
パルボウィルスは自然界に存在するウィルスの中で最も小さいウィルスになります。ある特定の種の動物と親和性があるのが特徴です。つまりイヌパルボウィルスは犬やオオカミ、キツネなどのイヌ科の動物にしか感染しません。
ですのでイヌパルボウィルスは人には感染することがない感染症です。稀に猫への感染もあるようですが、基本的にはネコ科動物にも感染はしません。ただし、人を介して他の犬に感染することは十分考えられます。
またパルボウィルスにはイヌパルボウィルスの他にネコ科のみに感染するネコパルボウィルス、人間にのみ感染する人パルボウィルスなどもあります。
人パルボウィルスは発症しても自然回復することが多いですが、犬にとってイヌパルボウィルスは非常に怖い病気です。
犬がパルボウィルスに感染する原因
犬のパルボウィルスはイヌパルボウィルスに感染することで発症しますが、感染原因はいろいろなケースが考えられます。自然界でも半年から1年は生き続けるウィルスですから、感染経路も幅広いです。以下が主な感染の原因です。
- ウィルスとの接触
- 母子からの感染
- 経口・経鼻感染
この他にも、特定の犬種の感染率が高いという調査結果も出ています。飼い主としては、まずは犬のパルボウィルスの原因を細かく知っておき、原因をできるだけ避けるようにしましょう。
ウィルスとの接触
イヌパルボウィルスは非常に感染力が強くウィルスとの接触により感染してしまうことが多いです。飼い主として注意しなければいけないいくつかのケースを挙げてみました。
- パルボウィルスのついた食器を使う
- パルボウィルスに感染した犬に触り、そのまま他の犬に触る
- 感染した犬と一緒に生活する
パルボウィルスは自然界でも生き続ける強いウィルスです。そのため近くに感染した犬がいなくても、散歩中や動物病院などでウィルスと接触するケースも少なくありません。
特定の犬種
犬のパルボウィルスは、免疫力の弱くなっている高齢犬や母犬から受け継いだ抗体の効き目がなくなる生後2ヶ月以降の子犬に感染する可能性が高いです。ですが、その中でも特にパルボウィルスにかかりやすい犬種もあります。
- ラブラドール・レトリーバー
- ジャーマンシェパード
- アラスカンマラミュート
- ロットワイラー
- ドーベルマンピンシャー
- ピットブル
これらの犬種はパルボウィルスにかかりやすいだけでなく、症状が悪化するスピードも早いとされています。また回復率も低く、生後間もない子犬や高齢犬だけでなく成犬でも発症することがあるようです。
該当する犬種を飼っている方は、早期発見はもちろんですが、まずは感染しないように充分に注意が必要です。
母子からの感染
パルボウィルスは母犬からの感染も原因の一つです。妊娠中の母犬がパルボウィルスに感染した場合には、胎盤を経由して胎児が感染し、死産や流産を引き起こしてしまいます。それとは別に子犬を出産後に母犬が感染するケースもあります。
パルボウィルスの潜伏期間は長くて12日くらいありますから、その潜伏期間に母乳や唾液により子犬に感染するケースもあります。仮に離乳しても、常に母犬と一緒に生活していれば感染のリスクは非常に高くなります。
予防接種をしていない子犬だとすぐに危険な状態になることがあるので注意が必要です。もし母犬や子犬がパルボウィルスのような症状を引き起こしていたら、早急に動物病院に行って検査してもらいましょう。
経口・経鼻感染
イヌパルボウィルスの感染原因としては、経口・経鼻感染があります。犬を散歩していると、他の犬の便や嘔吐物などの排泄物などの匂いを嗅いだり、舐めたりするケースもあるのではないでしょうか。
パルボウィルスに感染している犬の排泄物だった場合、そこから経口・経鼻感染してしまいます。飼い主としては散歩中に注意していればそれは避けることができるかもしれませんが、気が付かないうちに犬が踏んでしまうこともあります。
足にパルボウィルスが感染したまま、その足を舐めたり食器などに触れたりすれば、そこから感染することも十分に考えられます。
犬がパルボウィルス感染症になったときの症状
パルボウィルス感染症は腸炎型と心筋炎型があり、それによって症状が異なります。腸炎型の主な症状は以下の通りです。
- 激しい嘔吐
- 灰白色から黄灰白色の下痢
- 食欲不振
- 発熱
- 元気がなくなる
- 血便
- 脱水症状
心筋炎型は急死するケースが多く、症状に気が付いた時には手遅れになることが多いです。心筋炎型の主な症状は以下の通りです。
- 悲鳴を上げる
- 嘔吐
- 呼吸困難
- 息切れ
- 脱水症状
心筋炎型だと呼吸困難で発症から30分以内で亡くなってしまうこともあり、タイミングによっては気が付かないうち突然死しているケースもあります。ですが腸炎型なら早めに気付けば命を取り留める可能性はあります。
また妊娠中の犬がパルボウィルスに感染すると、死産や流産を引き起こすので、もし原因不明の死産や流産を起こしたら動物病院で診てもらうといいでしょう。
犬のパルボウィルス感染症の予防法
犬のパルボウィルス感染症を発症した場合、有効な薬剤はありません。脱水症状などを和らげる対症療法をする程度です。そのため、早期発見はもちろんですが、大切なのはパルボウィルスに感染しないように予防することです。
パルボウィルス感染症の予防法としてはワクチン接種が有効です。また衛生的な環境を保つのも大切です。それとともに飼い主としては、自分の犬だけでなく、他の犬が感染しないように対処する必要もあるでしょう。
ワクチン接種
パルボウィルスは非常に感染力が強く、環境耐性も強いので感染を防ぐことは難しいです。
ただイヌパルボウィルスはワクチンに効果があり、ワクチン接種をしっかりすれば感染を避けることはできます。以下がワクチン接種のタイミングになります。
- 1回目…母犬からの抗体がなくなる生後2ヶ月頃
- 2回目…1回目から3週から4週後
- 3、4回目…前回から3週から4週後
- 1歳を過ぎたら年に1回接種
ワクチン接種が必要な犬の病気はパルボウィルス以外にもたくさんあります。それらのワクチンが一緒になったワクチンがあるので、気になる方はそれも一緒に接種するといいでしょう。ただしワクチンにはデメリットもあるので、それもよく知っておきましょう。
二次感染の予防
パルボウィルスに感染してしまったら、それだけでも亡くなってしまう可能性が高くなります。
ただそれだけでなく、パルボウィルスに感染すると、免疫力が著しく低下してしまうため、他の細菌やウィルスに感染してしまう可能性も高くなります。
そのため二次感染の予防のために抗生物質の投与なども行われます。また、他の犬にも感染が広まってしまうこともあるので、徹底的な消毒や感染犬を隔離するなどの予防も必要になってきます。
衛生的な環境を保つ
パルボウィルスは自然界でも生き続けられる強力なウィルスです。そのため感染犬に近付けないようにしても、飼い主自身がパルボウィルスを屋外から持ち込んでしまい、感染してしまうケースもあります。
そうならないためには、衛生的な環境を保つことが大切です。床や食器、ケージなども徹底的に消毒し、飼い主自身も清潔な状態で犬に接触しましょう。
まとめ
犬のパルボウィルスは感染すると致死率が非常に高い怖い病気です。しかも感染力が強いため、経口・経鼻感染はもちろん、飼い主を介して感染することもあり100%ウィルスをシャットアウトするのは不可能です。
怖い病気ではありますがワクチンが有効ですから、しっかりとワクチン接種していれば安心です。ただペットショップから買ってきたばかりの時や、母犬からの抗体が切れる生後2ヶ月以降は感染の危険性が高いです。
またワクチンは不活化ワクチンなので1回だけではなく、成犬になってからも毎年接種する必要があります。もしパルボウィルスに感染したら、早急に動物病院に連れて行けば命を落とさずに済むこともあるので、しっかり犬の異常を見極めましょう。
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