『〇〇ミール・4Dミート・レンダリング工場』酷いドッグフードの実態
ある種のドッグフードの原料には「やばいもの」が使用されている…こんな噂を聞いたことはありませんか?
病気だった家畜の肉が混入されているらしい。路上で死んだ犬猫の死骸をリサイクルしているらしい。死体をなんの処理もせず、内臓や羽、くちばし、糞尿すべてをすりつぶして肉骨粉にしているらしい。
だから原材料名に「〇〇ミール」「乾燥〇〇」「〇〇粉」と表示されたドッグフードは買わない方がいい…。
結局のところ、どうなの?と気になりませんか。このご時世「やばいペットフード」なんて存在するのか。
噂やある立場の意見に反して、どんなドッグフードでも安全であるのなら価格の安いものに越したことはありません。
もうドッグフード選びに迷わずに済むように、やばいものとして巷でとりあげられる「〇〇ミール」「レンダリング工場」「4Dミート」などについて書きたいと思います。
「〇〇ミール」は危ない!買ってはいけない!はウソ
ドッグフードの原材料に「〇〇ミール」「〇〇副産物」「乾燥〇〇」「〇〇粉」と表示されているのを見かけます。これは肉粉・肉骨粉のことで、乾燥して粉末にしたものです。
「〇〇ミール」は、家畜等の食用に用いられない部位で作られます。くず肉や内臓、骨などをレンダリングという処理によって飼料や肥料、燃料などにします。これがドッグフードの原料にもなっているというわけです。
人の身体もそうですが、骨、毛髪や爪、筋肉、内臓、皮膚を作っているのはタンパク質です。くず肉や内臓、骨などの乾燥粉末であるミールはたんぱく質の供給が目的として含まれています。
なぜ「ミール(肉骨粉)」が怪しまれているのか
では「ミール」は大事なたんぱく質を供給する原料なのに、なぜ警戒されているのか。
それはミールを製造する過程が関係しています。
くず肉や骨などを肉粉・肉骨粉へと処理するための「レンダリング」という工程のなかで安全性を脅かすような問題が含まれていると噂されているためです。
レンダリング(工場)とは?
私たちは家畜の肉を食べますが、口に入れることのない部位がたくさんあります。
そういった食用に用いられないくず肉や内臓や骨を熱処理し、ペットフードの原料、家畜の飼料、石けん、肥料などにする製造工程をレンダリングといいます。
「レンダリング工場」と聞いて、おそろしいイメージを想像してしまう方もいらっしゃいますが、レンダリング自体はけっして悪いものではありません。
人間の食にとって不要な部位をゴミのように捨ててしまうのではなく、命を残らず使いきるといった取り組みであり、大手の食品企業もレンダリング事業を行っています。
「ペットフード安全法」に基づいてミールは生産されているが…
そもそもペットフードを製造する過程で、ペットに危険な原料が使われる隙があるの?と疑問に思いませんか。
現代日本はそれほど法整備の行き届かない国なのか。確かにペットはヒトほど権利を認められていませんから、先進国であれ、ペットに関する法はまだまだ発展途上と言えます。
しかし、ヒトであれペットであれ、食に関する最低限度の安全性は社会的に保障されています。日本の場合には。平成21年6月1日に「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法)が施行されています。
(出典:農林水産省「肉骨粉等のペットフード原料としての利用に関する手続マニュアル」)
このように「ミール」製造に関する農林水産省のガイドラインなどもあります。
ただし、レンダリングの良からぬ噂の真偽も、まったくの吹聴だと言い切れない節も実はあります。次にミールへの不審について、上の農林水産省の手続きマニュアルに基づいて考えてみたいと思います。
4Dミート?病気だった動物の肉を使っている?
「4Dミート」をご存知でしょうか。怪しげなドッグフードの話題になると決まって登場するのがこのコトバです。
先に説明した「〇〇ミール」という乾燥粉末にレンダリングする時、次のものが原料として使われることがあるというのです。
- Dead:死骸
- Diseased:病気
- Dying:死にかけ
- Disabled:障害のある
これらを「4Dミート」と呼びます。
食用として屠殺した家畜の使わない部位のみをレンダリングするのではなく、病気で死んだ家畜などミールにできるものは何でも放り込むといった具合です。そんなこと本当にあるのか?
実はこれ、単なる噂ではなく、現実に起こり得るものです。
犬猫の死骸がドッグフードに?はウソとは言い切れない…
「4Dミート」についての説明の前に、それに関連する「4Dミートよりも過激な噂」について少し触れておきたいと思います。
徳島市、鳴門市、佐那河内村が、路上などで死んだ犬猫の死がいの処理を一般廃棄物処理の認可のない徳島市内の肉骨粉加工業者に委託していた問題で、県は21日開かれた県議会同和・人権・環境対策特別委で、廃棄物処理を適正に行う責任者として陳謝し、同3市村が既にこの業者への委託を中止したことを報告した。
山田豊委員(共産)の質問に、上野秀樹・廃棄物対策課長と橋本保久企画監が答えた。上野課長は、「これまで相当期間、自治体が業者に委託しており、動物愛護法と廃棄物処理法のどちらで解釈するか問題だったが、(一般廃棄物で扱うべきとの)国の解釈が示された。これを契機に、市町村での適正な処理が行われるよう指導したい」と答弁。
また、橋本企画監は3市村が認可を持つ業者の委託先を探していることも報告した。
【鈴木健太郎】
これは毎日新聞の記事で、2002年2月22日のものです。
この記事にある「肉骨粉加工業者」は死んだ家畜や屠殺・安楽死された動物をリサイクルして販売している業者のことです。その業者が路上などで死んだ犬猫の死がいを引き取っていたという話です。
引き取った犬猫の死骸を肉骨粉にしたあとの流通経路までは特定できませんので、肥料用になったのかもしれませんが、ドッグフード用でなかったとは言い切れません。
この記事は2002年と今ではかなり古いものです。2009年施行の「ペットフード安全法」よりも7年も前の話になります。そのため当時では犬猫の死骸までがドッグフードになっていた可能性はゼロとは言えないかもしれません。
犬猫の死骸でなくても危険は起こり得る
ヒトの食品でさえも、食の安全が完璧に保障されているわけではありません。
食品偽装、食中毒、異物混入、遺伝子組み換え食品と問題はずっと付きまといます。
ドッグフードについても、かつてのような悪辣な製造が起こりにくくなったとしても、常にトラブルが潜んでいるのが食品だと強く意識しておいた方がいいでしょう。
「犬猫の死骸がペットフードに使われていた」が現実として起きていたかもしれないという話のあとでは「4Dミート」の噂は信憑性が高そうに思えてくるはず。
これから4Dについて実態はどうなのかを見ていきましょう。
安全性に問題なし!「Dead:死骸」「Diseased:病気」「Disabled:障害」のある肉を使ったレンダリングはふつう
食用として屠殺したわけでもない動物で、死んでしまったものをレンダリングすることは実は法的にも可能です。
(出典:農林水産省「肉骨粉等のペットフード原料としての利用に関する手続マニュアル」)
この図は先に触れた「ミール」製造に関する農林水産省のガイドラインですが、図の真ん中の水色枠のなかに「死亡家畜等」とあります。
これは農場などで飼育していた豚や鳥が屠殺ではなく何かしらの原因で死亡した場合でも、レンダリング施設で使用できることを意味しています。
動物を育てているなかで自然と死んでしまう原因で、病気は多いはずです。
家畜の死骸を回収してもらう時、病気や障害を申告するといった決まりはないようなので「Dead:死骸」「Diseased:病気」「Disabled:障害」のある肉を使ったミールはふつうなことのようです。
これはアメリカのレンダリング工場の様子ですが、動物の死骸を使うという行為は日常的に繰り返されています。
もちろん、安全性が認められているからこそ使用されているので、法整備がいいかげんなせいで業者が危険な肉を扱える現状というわけではありません。
「Dying:死にかけ」の動物を使ったレンダリングはない
死にかけの動物をそのままレンダリング工場に連れていくというのはとんでもない話です。噂のソースはアメリカのレンダリング工場らしいです。
今の日本では法に抵触しますので、違法でもなければ「Dying:死にかけ」の動物を使ったレンダリングはありません。
「〇〇ミール」に「4Dミート」の表示義務はない
以上の説明から分かるように「4Dミート」のほとんどがレンダリングで使用可能です。
ただし、すべてのドッグフードのミールに「4Dミート」が含まれているわけでもありません。とはいえ、法的に「Dead:死骸」「Diseased:病気」「Disabled:障害」のある肉を使ったという表示義務はないため、消費者側は「入っているかもしれない」といった判断までしかできません。
安全性に問題はなく危険ではないけど、なんか気になる…という方はずっとはっきりしないままで買うかどうかを選ぶ必要があります。
「安全なペットフード」と「健康なペットフード」はまったく別物
ペットに関する法律は「ペットの命に悪影響を及ぼすようなことをしてはいけないですよ!」というのがベースとなっています。ペットフードについても安全性を確保しなければならない、という意味合いです。
つまり「かわいいペットたちが健康に長生きできるような優れたペットフードを作りなさい」ということまでは言っていません。
最低限度の安全性さえ確保できていれば、ぎりぎりまでコストを抑え込むことのできる原料や製造方法でペットフードを生産することも可能です。
「安全なペットフード」と「健康なペットフード」はまったく別物なので、いくら安全だからといって価格の安さばかりに目を向けてしまえば、一緒に暮らすワンちゃんのためにならないドッグフードを選んでしまうことにもなりかねません。
人間の食品でもそうですが、ファーストフードや添加物など、法的には認められ、最低限度の安全は保障されていても健康を損ないかねないものはいくらでもあります。ドッグフードも同じです。
まとめ
世間的に悪い評判の「ミール」「レンダリング工場」「4Dミート」ですが、きちんと法を守っての製造であれば安全性は高いと言えるでしょう。
しかし、それはあくまでも安全性の話であり、けっして健康に良いといっているわけではありません。そのあたりの区別をしっかりつけながらドッグフードを選ぶことが大切です。
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