いざというときに知っておきたい犬のアジソン病の検査方法・治療法!
アジソン病という病気は人間にも犬にもある病気で、副腎皮質ホルモンの分泌量が低下することにより、体内のさまざまな部分に異常をきたす病気です。慢性と急性のものがありますが慢性であっても気をつける必要があります。
アジソン病は他の病気ほどメジャーなものではないため、その症状や原因をよく知らない方も少なくありません。
それゆえに発見が遅れてしまい命に関わってくるケースもありますのでアジソン病とはどんな病気かを学びましょう。
犬のアジソン病とは?
犬の病気にはさまざまなものがありますがアジソン病はホルモンに異常をきたす病気です。副腎から分泌される副腎皮質ホルモンの分泌量が少なくなり、風邪に似た症状や多飲多尿、体重の減少などの症状が見られるのが特徴です。
アジソン病は珍しい病気のため風邪のように頻繁にかかるものでは決してありませんが、犬は猫よりもアジソン病の発症率が高いことで知られています。そのためどの犬にとっても油断できない病気ではあるのです。
アジソン病は発症してしまうとホルモン量を調整する薬を飲み続けなければならず、犬や飼い主にとって負担が大きい病気です。
アジソン病の症状とは?
アジソン病になってしまった際にどんな症状が現れるのか、気になる飼い主も多いことでしょう。しかしながらアジソン病は他の病気とは異なり、これといった特徴的な症状がないことでも知られています。
風邪などの際に見られる諸症状とほぼ同じであることから、アジソン病であることに気がつきにくいのもまた事実です。以下にアジソン病になった時の主な症状を記載しますが、取り立てて特徴的な症状はないのが分かるでしょう。
- 食欲不振や元気がない
- 下痢や嘔吐
- 痩せる
- 多飲多尿
- 運動量の減少
また急性のアジソン病の場合には次に示す症状が現れることが多いです。この症状が現れた時には命に直結する非常に危険な状態ですから、躊躇することなく一刻も早い動物病院の受診が求められます。
- 痙攣
- 失神
- ショック状態
慢性のアジソン病は症状が悪化したかと思えば良くなったりを繰り返すため、どうしても発見が遅れてしまいがちです。早期治療が功を奏す病気でもあるため、些細な異変も見逃さないように努めたいものです。
犬のアジソン病の原因
アジソン病はウイルスや細菌に感染したために生じるものではなく、副腎皮質ホルモンの分泌量が著しく低下するよることによる疾患です。気をつけていても発症してしまう可能性はあるもののストレスはよくないと言われています。
またアジソン病はメス犬に発症が多く好発犬種も複数存在することから、ある種の遺伝的要因というのも原因にあげられます。また発症しやすい年齢は4歳から7歳前後のため、このような要因がある犬の場合には注意が必要でしょう。
犬のアジソン病はホルモンを作る副腎自体に異常がある場合がまず一つの原因です。そして副腎ではなく体内の別の部分の問題が、副腎に影響を与えていることによるものの大きく二つの理由に分けることができます。
アジソン病の検査方法とは?
犬のアジソン病の症状は他の病気の時に出る症状と似ていることから、なかなかアジソン病に気づきにくいです。
それゆえに発見が遅くなってしまい病名を特定出来た際には、すでに症状がだいぶ進んでいることもよくあります。そのためアジソン病を特定するためには、検査が非常に大事で重要な役割を果たします。
血液検査
アジソン病の検査では血液検査をおこない、血液成分に異常がないかどうかを判定します。特に血液検査で見られる項目が血液中のナトリウムとカリウムの数値で、アジソン病の犬の場合にはこの数値に異常がある場合が多いです。
とはいえアジソン病の犬の全てがナトリウム、カリウム値に異変が生じるわけではありません。およそ90パーセントの犬に数値の異常が認められるものの、残りの約10パーセントの犬には正常値がみられます。
そのため血液検査だけではアジソン病の犬を発見することができず、見落としてしまうこともありえます。
ACTH刺激試験
ACTHとは副腎皮質刺激ホルモンのことを指し、少し複雑ですが副腎皮質ホルモンを分泌させるための命令を下すためのホルモンになります。このACTHを注入することで正常に副腎皮質ホルモンが働くかどうかを試験します。
血液検査だけではアジソン病を確定させることはできないため、アジソン病が疑われる場合には合わせてACTH刺激検査というものをおこなう場合がほとんどです。このACTH刺激検査の結果によりアジソン病を断定します。
ACTH刺激検査ではコルチゾール値を調べるための検査で、注射後のコルチゾール値の変化を見ることで異常がないかどうかを調べます。具体的な手順は以下になり、注射後の数値が正常値より下の場合にはアジソン病です。
- 通常の状態で採血をおこなう
- ACTHを注射で注入する
- 1時間から2時間後再び採血をおこなう
- ACTH注入前と後の数値を比較し診断をする
その他
アジソン病の診断はまず問診や血液検査からアジソン病の可能性を疑い、ACTH刺激検査で病名を確定するという流れが一般的です。しかしながら問診や血液検査の結果から、別の病気の可能性が浮上することもあるでしょう。
そのような時にはその結果に応じて、疑われる別の病気を診断するための検査を追加することになります。またACTH刺激検査の結果アジソン病でなかった場合には、その他の検査をおこなうことになるでしょう。
血液検査とACTH刺激検査以外に行うであろう考えられる検査としては、一般的にはレントゲンや心電図検査などがあげられます。副腎の他の病気の可能性や、体内の他の臓器の異常などを発見するための検査になります。
アジソン病の治療法とは?
犬のアジソン病の場合には他の病気の時よりも詳しく治療内容を知っておくことが大切かもしれません。その理由としましてアジソン病は完治が難しい病気のため一生付き合っていくことになる場合が多いからです。
早期発見が難しいことから完治しにくく、また急性のアジソン病は一刻も早い治療が求められます。ですから治療に関してある程度の知識を持っておくことは突然慌てないためあるいは長く治療を続けていくために必要でしょう。
入院治療(急性)
ショック状態に陥ったり痙攣をおこしたりする急性の状態の時には、一刻も早い治療が必要で間違えれば命を落としてしまう危険性も高いです。それゆえに入院になることがほとんどで緊急治療を開始することになるでしょう。
まずは緊急状態から脱するために急性期のアジソン病の治療においては、輸液の投与をおこないショック状態を回復させる必要があります。また糖質コルチコイドも一緒に投与をおこない状態の迅速な改善を図ります。
一旦状態が落ち着いた後には不足しているホルモンを補充し、状態を安定させて症状の回復を試みます。また緊急治療が終わったのちも、不足しているホルモンを補うための薬は生涯にわたって飲み続ける必要があります。
投薬治療(慢性)
犬のアジソン病において慢性の場合には、基本的には投薬治療を中心におこなっていくことになります。副腎皮質ホルモンであるアルドステロン、もしくはコルチゾールのうち不足しているものを状態に合わせて補うための投薬です。
投薬治療はきちんと決められた時間に決められた量の薬を服用することが非常に重要です。勝手に自己判断で薬の量を増やしたり、あるいは中断してしまうのはご法度で用量を守らないと死に繋がることも多いです。
また基本的にアジソン病の場合には薬は生涯飲み続けることになりますので、根気強く投薬治療を行わなければいけません。とはいえしっかりと投薬治療をおこなえば、予後は良好でこれまで通りの生活をおくれます。
アジソン病の治療薬の種類
犬のアジソン病は治療薬と一生付き合っていかなければならず、それゆえに治療薬に関する知識を持ち合わせておく必要があります。アジソン病の場合の治療薬は主に不足しているホルモンを補うためのもので、いくつか種類があります。
アジソン病であっても何のホルモンが足りていないのかによって必要な薬は異なり、つまり副腎皮質のどこに異常があるかによって薬は変わってきます。獣医の治療方針をしっかりと理解し、正しく服用することが大事です。
またアジソン病の治療薬というのはあくまでも足りていないホルモンを補うためのもので、治療薬によってホルモンが分泌できるように回復するわけではありません。ですから自己判断で薬を中断するのは絶対にいけません。
以下にアジソン病の治療で用いられる主な薬を紹介します。
- プロリネフ
- プレドニゾロン
- DOCP
- コートリル
治療費はいくらかかる?
アジソン病は獣医に診療してもらった際に病院代がかかるのはもちろんのことですが、それ以上に薬代の負担が非常に大きい病気です。なぜかといいますとアジソン病は発症してしまうと、大抵は一生薬を服用しつづける必要があるからです。
ずっと薬を飲み続けなければならないとなると、必要となる金額はトータルで考えると非常に高くなるでしょう。またアジソン病の薬はそれ自体高価ですから、アジソン病を発症したら金銭的負担は避けられないでしょう。
具体的な薬代は選択する薬の種類や、一回に服用する量により差はありますが、ひと月あたり1万5000円から2万円程度かかる場合が多いようです。
金額は高価ですがきちんと薬を飲むことが大事な病気ですから必要経費と考えましょう。
まとめ
副腎皮質ホルモンの分泌量が低下するアジソン病は、発見が遅れてしまうと命に直結する危険な病気のため早めに気づくことが大事です。しかしながらアジソン病の症状は他の病気と見分けにくく、気づきにくいのもまた事実です。
急性の場合には特に即急な治療を要しますが、慢性であっても危険度が高く注意が必要な病気です。有効的な予防策も具体的なものがないため、やはり早めに気づけるように犬の状態観察を普段からしっかりするべきでしょう。
とはいえアジソン病はしっかりと決められた薬をきちんと服用すれば、これまでと変わりない毎日を過ごせる病気でもあります。どの犬にもアジソン病になる可能性はあるので、健康診断などを活用してみるのもよいかもしれません。
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